Chapter 1 of 14

ある日、しょうねんたんていだんのぽけっと小ぞうは、ひとりで、さびしいのはらをあるいていました。

ぽけっと小ぞうは、小がっこう四ねんせいですが、ようちえんのせいとみたいにからだが小さくて、ぽけっとにでもはいりそうだというので、こんなあだながついているのです。

のはらには、はやしがあって、そのむこうに、りっぱなようかんがたっていました。

大きな三がいだてのいえです。

ぽけっと小ぞうは、そのようかんが、あまりへんなかっこうをしているので、そばまでいってみました。このへんにはいえがなく、このようかんだけが、ぽつんとたっているのです。

その、れんがのへいのそとをあるいていると、どこからか、「きゃあ」というさけびごえがきこえてきました。

びっくりして、あたりをみまわすと、ようかんの三がいのまどが、一つだけあいています。

十ぐらいの女の子が、そこからからだをのりだすようにして、たすけをもとめていました。ぽけっと小ぞうは、すぐ、ぽけっとから小がたのぼうえんきょうをとりだして、目にあてました。

この小さいぼうえんきょうは、しょうねんたんていだんの七つどうぐの一つで、いつでももちあるいているのです。ぼうえんきょうの中に、女の子のかおが、大きくうつりました。そのかおが、とてもこわそうに、目をいっぱいにひらいて、たすけをもとめているのです。

そのとき、ぼうえんきょうの中の女の子のうしろに、大きな、きみのわるいものが、ぼんやりとうつりました。

あっ、らいおんです。たてがみのある、大きならいおんが、いまにも、女の子にとびつきそうにしているのです。

「きゃあ」

また、ひめいがきこえました。

ぽけっと小ぞうは、いきなりかけだしました。そして、ちかくのこうばんをさがして、そのことをしらせたのです。

おまわりさんは、びっくりして、ふたりづれで、そのようかんにかけつけました。

げんかんのべるをおすと、中から、白いあごひげのあるおじいさんがでてきました。

「わしは、このいえのしゅじんだが、うちには、そんな女の子はいない。まして、らいおんなど、いるはずがない。その子どもは、ゆめでもみたんだろう。はははは」

とわらいとばすのでした。

おまわりさんは、しかたがないので、そのままひきあげてしまいました。

けれど、ぽけっと小ぞうは、どうしてもあきらめることができません。よるになるまで、ようかんのまわりをあちこちあるきながら、もう一ど女の子のかおがみえないかと、まちかまえていました。でも、あのまどは、もうしまっていて、しいんとしています。

よるになると、ぽけっと小ぞうは、もんの中へしのびこみました。

ぽけっと小ぞうは、こっそりと、ようかんのよこへまわっていきました。

すると、一かいの一つのまどに、あかりがついています。のぞいてみると、そこに、さっきの女の子がいるではありませんか。

女の子は、くろいきれで目かくしをされ、さるぐつわをはめられています。そのそばに、くろめがねのわかいおとこが、こわいかおをして、たっていました。

そのとき、もんのそとに、じどうしゃのとまるおとがしました。ぽけっと小ぞうは、

「あっ、きっとそうだ」

とうなずきました。

足おとのしないようにかけだして、もんのそとへでてみると、大がたのじどうしゃがとまっていました。

じどうしゃのうしろの、にもつをいれるとらんくのふたがうまくひらきました。ぽけっと小ぞうは、いきなり、その中へもぐりこんで、もとのとおりにふたをしめました。

まもなく、くろめがねのおとこが、女の子をつれて、じどうしゃにのると、そのまま、どこかへはしりだしました。

あの女の子は、いったいだれなのでしょう。ひるまみたのは、ほんとうのらいおんだったのでしょうか。そして、とらんくにかくれたぽけっと小ぞうは、これからなにをするのでしょうか。

Chapter 1 of 14