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石村たかしくんと、いもうとで二年生のミチ子ちゃんは、すぎ山先生だと思っていた人に、古いおみやの森の中につれこまれました。
ところがそのひとは、おそろしいおうごんかめんだったのです。
おうごんかめんこそ、人々からこわがられていたかいじん二十めんそうなのです。
「わっははは。どうだ、おれがなにものかわかっただろうな。いや、なにも、こわがることはない。きみたちにらんぼうなことはしない。ただ、きみたちのおとうさんのもっている、りっぱなえがほしいのだ。あしたの夜、ちょうだいに上がると、おとうさんによくいっておくのだよ。わかったね」
そういったかと思うと、二十めんそうは、ぱっと森の中からかけ出していきました。
そして、すこしたつと、とおくから、じどうしゃの走り出す音がきこえました。きっと、おみやの外にじどうしゃをまたせておいたのでしょう。
たかしくんとミチ子ちゃんは、いそいで家にかえり、おとうさんにこのことを話しました。
石村くんのおとうさんは、えがすきで、りっぱなえをたくさんあつめていました。
二十めんそうは、それをぬすみに来るというのです。
石村さんは、すぐ、名たんていのあけち先生にでんわをかけました。けれども、あけちたんていはるすで、少年名たんていの小林くんがやって来ることになりました。
小林くんは、少年たんていだんのだんちょうです。
だんいん六人と、それからけいしちょうの中村けいぶに話をして、けいじ六人をつれ、あくる日のひるごろ、石村さんの家にやって来ました。
六人のけいじと、六人の少年たちは、手分けをして、へやの入口や、まわりのにわで見はりばんをしました。
ひる間はなにごともなく、夜になりました。
小林くんは、へやの入口のろうかのいすにかけて、がんばっています。
へやの外のくらいにわには、けいじたちがまどとへいの間を行ったり来たりしていました。
みんな、手にまるいぼうのようなものをもって、いそぎ足で歩いています。
つぎの日の朝になると、石村さんが、小林くんのところへやって来ました。
「あっ、石村さん、なにごともありませんでした。へやをしらべてください。二十めんそうは、ぼくたちをおそれて、とうとうぬすみ出せなかったのです」
小林くんがそういったので、石村さんはへやの中をしらべましたが、えは一つもなくなっていません。
そこで小林くんたちはかえっていきました。
みんなのかえってしまったあとで、石村さんのところへおかしなでんわがかかってきました。
「きみは石村さんかね。ははは、とうとうだまされたね」
「えっ、なんだって。きみはいったいだれだ」
石村さんは、びっくりしてききかえしました。
「はっははは、わかりませんか。こんなでんわをかけるのは、あいつにきまっているじゃありませんか」
「えっ、あいつだって。それじゃ、きみは二十めんそうだな」
「そうだよ、おきのどくさま。きみのたいせつにしているえは、みんなちょうだいしたよ」
「えっ、ちょうだいしたって。わたしのへやのえは、一つもなくなっていないよ。ははは」
「ははは、きみの目もあてにならないね。あれは、みんなにせものだよ。
小林もにせもの。少年だんいんやけいじもにせもの。みんな、おれの子分だったのだ。
夜中に、本もののえをはずして、にせものとはめかえて、本もののほうをもち出してしまったのさ」
「えっ、あれがみんなにせものだって」
石村さんは、びっくりして、へやへとんでいって、ひとつびとつよくしらべました。
「あっ、やっぱりそうだ。本ものとそっくりにかいてあるが、みんなにせものだ」
石村さんは、まっさおになっていいました。
それにしても、小林くんまでにせものとは、いったいどんなやり方をしたのでしょうね。