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警戒すべき日本
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警戒すべき日本
押川春浪
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Translation Pagera AI
Original Public Domain
Chapter 5 of 10

(五)如何なる賜物を得しか

▲然れど諸君。この戦勝の結果――、殊に戦後に於ける日本社会の状態は、果して歓ぶべき現象なりや否や。余は一言の下に否なりと断言するを憚らず。歴史を繰返して見よ、戦勝の結果却つて亡国の非を招きし国は、古来其実例に乏しからず、戦勝つて士気大いに奮ひ、駿々として驚くべき勃興発展を為す国あり。戦勝つて国民の気奢り、知らず識らず亡国の悲境に陥る国あるを思はざる可からず。余輩は彼の光栄ある戦勝を得ながら、一文の償金すら取れざりし事を今更嗟嘆する者にあらず。樺太二部の一は、我が幾万の同胞を殺し、幾億の軍費を費せしに対して、余りに少き賠償なれど、若し国民が此戦勝により、何等か偉大なる精神上の賜物を得しならば、余輩は数十億の償金を得るよりも、幾万方里の領土を加ふるよりも、寧ろ我国将来の為に之れを慶賀せん。然るに事実は全く之れに反す。

Chapter 5 of 10
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