Chapter 1 of 1

Chapter 1

どこからか捲き起された風

渦になり、平になり、縦になり

吹きまくってゆく、突風! 疾風!

屋根柾が矢のように走ってゆく

塗炭板がぐうおうと引ぺがされて

空をうなりながら飛んでゆく

ぐう、おう、ひゅう

ひゅう、おう、ぐう

物凄い力となって

粉々と雪を掻っ飛ばして

平原を十数丈の高さで

ぐんぐんと押よせる風陣!

街の中も、原っぱも、村の街道も

猛火のような怒りと憎しみに燃え立って

前面に押し出し流されてゆく

引っぱたき、ぶちのめし

引ぱずし、ぶちこわし

組織されたものの持てる偉大な力の進軍!

(『旭川新聞』一九二九年九月十七日号に今野紫藻名で発表 一九八五年四月新日本出版社刊『今野大力・今村恒夫詩集』改訂版を底本)

●図書カード

Chapter 1 of 1