Chapter 1 of 9

バッファローで投げ出された男

「わしはナイヤガラの滝を見物するんだからバッファローで下りる。バッファローは何時頃になるかね?」

と一人の旅客が寝台車のボーイに訊いた。

「夜明けになります」

「よし、頼むよ。わしは寝坊だから、ナカ/\起きないかも知れない。構わないから、バッファローに着いたら、四の五の言わせず、この荷物ぐるみプラットフォームへ投り出してくれ給え」

「承知いたしました」

翌朝、旅客が目を覚ましたら、もう日は高く、バッファローはとうに通り越していた。ボーイを呼びつけて責めると、

「はてね、それじゃ先刻バッファローで投り出した人は誰だったろう」

Chapter 1 of 9