Chapter 1 of 1

Chapter 1

君うつくしく幸ありと、

おもへば魂はくづるゝに、

なまじい罪は負ひつゝも、

君は死にきと眼を閉ぢて、

痩せたる胸を撫づるなり。

もとより心いつはらぬ

ふたりが恋のくちつけは、

法の父上母うへの

御国にゆりぬ、君はいま

むくろぞひとに委ねけめ。

されども君は人妻と、

整ひきよき妻がさね、

われ咽喉ぶえは裂きもすれ、

沸ぎる鉛は啣むとも、

えやは呼ぶべきわがつまと。

●図書カード

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