Chapter 5 of 61
コレラの病理学は伝染の様式を示す
コレラの病理学を考察するとこの病気が伝染する様式を我々に示すことができる。もしもこの病気が発熱で始まったり、または他の一般的の全身的な不具合で始まったならば、病的毒が身体に入った方法について何の手掛かりも得られないであろう。例えば消化管からか、肺からか、他の方法によるか、判らないが、この病気の病理学と関係しない状況によって決定しなければならないだろう。しかし、私自身の観察および他の人の記載からコレラについて学ぶことができたすべてのことによると、コレラはいつでも消化管の障碍から始まっていると私は結論する。この病気はしばしば一般的な病気の感じは殆ど無く、病気がかなり進行するまで、患者は自分自身が危険であると考えたり、忠告を受けようとさえしない。実際に、ある例では胃や腸からの排出が起きる前に、眩暈、失神、虚脱感が存在することがある。しかしこれらの症状は粘膜からの排出によるものであり、その後で大量の排泄が起きる。これは腸管への出血に際してある場合にのみ起きるものであり、血液が排泄物に出現する前に失血のすべての症状は存在している。「下痢が全く起きない乾性コレラ」と呼ばれる稀な例において、死後に病理解剖が行われると、腸管はコレラに特有な排泄物で一杯になっている。私が診察したすべてのコレラの例において、患者の以前の条件および、損失が突然であり吸収過程が停止したと思われる状態を同時に考慮すると、胃および腸管からの液体の損失は虚脱に充分に相当するものである。