Chapter 1 of 1

Chapter 1

君の第三の著作『抒情小曲集』が、上梓されるに就て、子供の時からの友達としての僕は、奈何なる言葉でこの喜びを表したらよいか、実にその術をしらない。ことに今度集められた小曲はみな其当時にとつてお互に感銘の深いものばかりだ。君の詩のよいところは、敏感な美しい繊細な感情が概念的でなく、全くリズム的に本当と力とにあらはれてゐる所にあるのだらう。これを読んだ人人に本当に美しいよい感情を移植する所が一番貴いところではあるまいか……。

七月十七日田辺孝次

●図書カード

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