Back
馬鈴薯階級の詩
Table of Contents
馬鈴薯階級の詩
中島葉那子
Reading Settings
Font size
18px
Theme
Light
Dark
Sepia
Eye care
Line spacing
Reading mode
Translation Pagera AI
Original Public Domain
Chapter 3 of 3

馬鈴薯階級の詩 (三)

つくづくと人間並の暮しがしたいと思った

それは自分達の生活が人間並でないからの事。

朝っぱらから雨に降られて

外の仕事の出来ない日

馬小舎の隅で馬糞の匂いにむされながら

俵を編んでいると

疲れ切った体からのそのそと眠気が這い上って来る

久しぶりの雨だと云うのに

半日の休みもなく

此の世に許された唯一の楽しみであるかの如き

睡眠をすら欠いたはげしい労働の日々

その報酬として受取るものは何か!

相変らずの貧乏と過労!

寒気と 飢

来る年も 来る年もマイナスばかり貧困の中に

一生を果してくちてゆく父母

それがやがて来る

未来の自分達の姿ではないか。

つくづく人間並に生きたいと思った。

こうした生活への要求が

遂に私に不屈な反逆を教えた。

それは誤まられた組織の上に

正しく人生を生き様とする者の

余儀なくされた闘であり

必然の帰結である

●図書カード

Chapter 3 of 3
|