Chapter 3 of 3
馬鈴薯階級の詩 (三)
つくづくと人間並の暮しがしたいと思った
それは自分達の生活が人間並でないからの事。
朝っぱらから雨に降られて
外の仕事の出来ない日
馬小舎の隅で馬糞の匂いにむされながら
俵を編んでいると
疲れ切った体からのそのそと眠気が這い上って来る
久しぶりの雨だと云うのに
半日の休みもなく
此の世に許された唯一の楽しみであるかの如き
睡眠をすら欠いたはげしい労働の日々
その報酬として受取るものは何か!
相変らずの貧乏と過労!
寒気と 飢
来る年も 来る年もマイナスばかり貧困の中に
一生を果してくちてゆく父母
それがやがて来る
未来の自分達の姿ではないか。
つくづく人間並に生きたいと思った。
こうした生活への要求が
遂に私に不屈な反逆を教えた。
それは誤まられた組織の上に
正しく人生を生き様とする者の
余儀なくされた闘であり
必然の帰結である
●図書カード