Chapter 1 of 1

Chapter 1

高原の空に風光り、

秋はやふかみて、

鑛脈のしづくのごとく、

ひねもす銀針の落つるをおぼえ、

ゆびにとげいたみ、

せちにひそかに、

いまわれの瞳の閉づるを欲す。

ここは利根川、

その氾濫のながめいちじるく、

青空に桑の葉光り、

さんらんとして遠き山里に愁をひたす、

あはれ、あはれ、われの故郷にあなれば、

この眺望のいたましさ。

眼もはるにみゆ。

村落の光る厩のうへに、

かがやく愛の手は伸びゆきて、

われの身は銀の一脈、

ひそかに息づき生命はや絶えなんとする。

―九月七日―

●図書カード

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