尾崎士郎 · 일본어
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원문 (일본어)
月のかげが低い屋根に落ちている。場所は博多、中洲の水茶屋、常盤館の裏門の前で俥のとまる音がした。――入ってきたのは洗いざらしの白い薩摩絣を着ながしにした長身肥大の杉山茂丸である。杉山は、右が納屋、左が薪の束の堆高く積んである狭い通路を大股に歩いて植込のふかい中庭の前へ出た。 壊れかかった柴折戸をあけると、池の水蓮に灯かげがぼうと映っている。杉山は竹垣にそって庭石づたいに池をひと廻りして大きい石灯籠のかげになっている茶室の横へ出た。片手で松の幹を抱え、身体を斜めにして池の正面にある広間を透かすように眺めると通常「豪傑部屋」と呼ばれている宴会専用のほそ長い部屋は、襖も障子もあけ放しにされて、そこから真正面に見える欄間の上には、何時も見馴れている山陽外史の、「雲耶山耶呉耶越」――と達筆にまかせて伸び放題に書きなぐった天草夜泊の詩がうすい翳を刻んでいる。新任の福岡県令安場保和をかこむ実業家たちの小宴であった。安場は玄洋社とも多少のつながりがある。元を洗えば、その頃元老院議官であった安場を説いて、福岡県知事たらしめようとしたのも、杉山であるし、「明治の聖代に筑前の梁山泊なぞに誘拐されてたまるもの
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尾崎士郎
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