Chapter 1 of 1

Chapter 1

しだれ柳はおいぼれてゐて

井戸のそこには くつきりと

碧空のかけらが落ちてゐて 閏四月

おねえさま

ことしも 郭公が鳴いてゐますね

つつましいあなたは 答へないで

夕顔のやうにほほゑみながら

つるべをあふれる 碧空をくみあげる

つるべをあふれる 伝説をくみあげる

径は麦畑のなかを折れて 庭さきに

杏も咲いてゐる あれはぼくらの家

まどろみながら 牛が雲を反芻してゐる

ほら 水甕にも おねえさま

碧空があふれてゐる

●図書カード

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