Chapter 1 of 1

Chapter 1

色彩なければ 我ら生はあらざらむ

春宵の薄暮

わが双眼の全き視神経は麻痺して

宇宙は皆灰一色となり

感ずべき何ものもなし

心ただ焦燥して

形なく踊れども

みたすべき何ものもなし

ああ春宵の薄暮

奪われし色彩のかえらじ

燃ゆるなき

古城址の焔と消えんのみ

●図書カード

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