Chapter 1 of 1

Chapter 1

泣けよ、戀人、神の身の「愛」の君だに、

愁歎のいはれを識りて泣き入りぬ。

「愛」は悲み堪へ難く、いらつめたちの

雙眼に溢るる涙、眺めたり。

忌々しき「死」の大君は貴なる人も

憚らず、さすがに徳を避けたれど、

なべての人が、たをやめの譽とふもの、

めぐしくも、毀ちたるこそ無殘なれ。

聞けよ、諸人、「愛」は今、このたをやめを

褒めたたふ。見ようつそ身に現れて、

眠れる如きかんばせの上にあらずや。

折ふしは天頂高くうちあふぎ、

かくて貴なる魂のゆくへや求むる、

塵の世の濁に染まぬたましひの。

●図書カード

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