Chapter 1 of 12

銅像が皆の手で作られた

白老のシュバイツァーとして、すでに貴重な存在になっている高橋房次氏が、今度白老町の住民一同から銅像をおくられることになったという。町民がこぞって醵金に応じ、町役場前の広場に銅像をたてるということは、誠に意義の深いことだと思われる。

大正11年3月に、旧土人保護法施設として完備された道立白老病院の院長とし、高橋氏が赴任されてからも37年になる。その間、土人部落の一員として、文字通りアイヌや一般の人達とともに、その生活の労苦をあじわってきたわけである。77歳の高齢をもって、いまなお矍鑠として、町民の診療にあたっている氏のためにも、今度の町のもよおしは、ほんとうに心あたたまる朗報である。

白老の名誉町民第一号の氏にたいし、いま老人の人達は、全山紅葉の時期までには氏の胸像を完成させ、その除幕式をかねて高橋氏の功績顕彰会をひらこうと、まさに町ぐるみ一丸となって、その達成に全力をあげている。

私はそこで、なぜ高橋房次氏が、白老の町民一同から銅像をおくられるようになり、どういうわけでこの白老町にとどまっているかということと、氏が白老の医者になった、赴任当時の様子など具体的な例をもならべたてながら、氏のヒューマンな人間性の一面を語って行きたいと思う。

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