Chapter 1 of 1

Chapter 1

その夜私は、コンテで以て自我像を画いた

風の吹いてるお会式の夜でした

打叩く太鼓の音は風に消え、

私の机の上ばかり、あかあかと明り、

女はどこで何を話してゐたかは知る由もない

私の肖顔は、コンテに汚れ、

その上に雨でもパラつかうものなら、

まこと傑作な自我像は浮び、

軌りゆく、終夜電車は、

悲しみの余裕を奪ひ、

あかあかと、あかあかと私の画用紙の上は、

けれども悲しい私の肖顔が浮んでた。

●図書カード

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