Chapter 1 of 382

田甫の上

雁が来た、雁が来た、田甫の上に雁が来た

澄み渡つた夕暮れの

空に、鳴き鳴き、雁が来た

親の雁は

下を見い見い飛んでゆく

子の雁も

下を見い見い飛んでゆく

親の雁は

先へ先へと飛んでゆく

子の雁も

皆な続いて飛んで行く

親の雁が

首を伸して鳴き出すと

子の雁も

首を伸して鳴いてゐる

雁は鳴き鳴き、夕暮れの

空を渡つて、飛んでゆく

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