野村胡堂
野村胡堂 · 일본어
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野村胡堂 · 일본어
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원문 (일본어)
「親分、近頃は胸のすくやうな捕物はありませんね」 ガラツ八の八五郎は先刻から鼻を掘つたり欠伸をしたり、煙草を吸つたり全く自分の身體を持て餘した姿でした。 「捕物なんかない方がいゝよ。近頃俺は十手捕繩を返上して、手内職でも始めようかと思つてゐるんだ」 平次は妙に懷疑的でした。江戸一番の捕物の名人と言はれてゐる癖に、時々『人を縛らなければならぬ渡世』に愛想の盡きるほど、弱氣で厭世的になる平次だつたのです。 「大層氣が弱いんですね。あつしはまた、親分の手から投錢が五六十も飛ぶやうな、胸のすく捕物がないと、かう世の中がつまらなくなるんで――」 「お前は娑婆つ氣があるからだよ。俺は御用聞といふ稼業が、時々嫌で/\たまらなくなるんだ」 「そんなことを言つたつて、御用聞がなかつた日にや、世の中は惡い奴がのさ張つて始末が惡くはなりやしませんか。醫者がなきや病氣が蔓こるやうに――」 「醫者と御用聞と一緒にする奴があるかい。醫者は病氣を癒せばいゝが、御用聞は惡い者ばかり縛るとは限らない」 平次の懷疑は果てしもありません。 「江戸中に惡者がなくなつた時、十手捕繩を返上しようぢやありませんか。それまでは手一杯
野村胡堂
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