Chapter 1 of 1

Chapter 1

かしこに煙の流るる

空はつめたくして

草はあたたかに萌えたり

手はくみて歩めども

よそゆきの着物のにほひ侘しきに

秋はうららに落ち來り

日向に幹木の愁ちらばふ

晝餉どき

停車場のほとりに出で

わづかなる水をたうべしに

工人の居て

遠き麥畑を指させり

(一九一三、九、二四)

●図書カード

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