Chapter 1 of 1
Chapter 1
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五月幟立つ家家の向うは海
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暮鳥忌磯濱の煙わびしき年のくれ
笹鳴
笹鳴の日かげをくぐる庭の隅
笹鳴や日脚のおそき縁の先
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天城ごえ伊豆に入る日や遲櫻
青梅に言葉すくなき別れ哉
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青梅に言葉すくなき別れかな
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冬日くれぬ思ひおこせや牡蠣の塚
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我が心また新しく泣かんとす冬日暮れぬ思ひ起せや岩に牡蠣
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ブラジルに珈琲植ゑむ秋の風
枯菊や日日にさめゆくいきどほり
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プラタヌの葉は散りはてぬ靴磨き
冬さるる畠に乾ける靴の泥
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虹立つや人馬にぎはふ空の上
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人間に火星近づく暑さかな
秋さびし皿みなわれて納屋の隅
枯菊や日日に醒めゆく憤り
虹たつや人馬にぎはふ空の上
『遺稿』より
我が齡すでに知命を過ぎぬ枯菊や日日にさめゆく憤り
若き日の希望すべて皆空しくなりぬ秋さびし皿みな割れて納屋の隅
嗚呼すでに衰へ、わが心また新しく泣かむとす冬日くれぬ思ひ起せや岩に牡蠣
故郷に歸れる日、利根の河原をひとり歩きて磊落と河原を行けば草雲雀
わが幻想の都市は空にあり虹立つや人馬賑ふ空の上
隱遁の情止みがたく、芭蕉を思ふこと切なり藪蔭や蔦もからまぬ唐辛子
晩秋の日、湘南の或る侘しき海水浴場にてコスモスや海少し見ゆる邸道
●図書カード