Vol. 2May 2026

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蘭郁二郎氏の処女作 ――「夢鬼」を読みて――

大倉燁子

「探偵文学」誌上で発表された時、非常な好評を博した蘭郁二郎氏の「夢鬼」がこの度上梓された。私は早速また繰返して読んだ。いくたび読んでも面白い。 妖魔の如き美少女葉子と、醜い憂鬱な少年黒吉との曲馬団の楽屋裏における生立から始まり、幼い二人はいつか互に愛しあうようになる。葉子にとっては戯れのようなこの恋も、黒吉にとっては実に命がけのものであったが、やがて移り気な

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あの顔

大倉燁子

刑事弁護士の尾形博士は法廷から戻ると、久しぶりにゆっくりとした気分になって晩酌の膳にむかった。庭の新緑はいつか青葉になって、月は中空にかかっていた。 うっすらと化粧をした夫人が静かに入って来て、葡萄酒の瓶をとりあげ、 「ずいぶん、お疲れになったでしょう?」と上眼使いに夫を見上げながら、ワイン・グラスになみなみと酒を注いだ。 「うむ。だが、――長い間の責任をす

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青い風呂敷包

大倉燁子

江川初子がカフェー・ドラゴンからアパートへ帰ったのはかれこれ朝の五時頃であった。 彼女はハンド・バッグから室の合鍵を出し、扉を開けると、冷めたい朝風がサッと顔を撫でた、オヤと思って見ると往来に面した窓が開放しになっている。 たしかに閉めて出た積りだったのに――、と思いながら、室内を見廻したが別に変ったこともない。 初子は窓を閉め、ついでにブラインドを降し、こ

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哀詩数篇

漢那浪笛

なすによしなき哀れさよ、 早や日数経て、今日の日も 暗がりわたる物おもひ。 水や空なる波の上に、 淋しくかゝる綾雲は、 やがて消ゆべき希望かや。 その希望もて吾が道は、 深海の底の青貝の、 螺線の中のゆきもどり。 物の幾度□貝□葉に、 灰色なせる涙もて、 悲哀の文字を印せしも、 暗き深みのみなぞこの、 声も言葉もかよわねば、 昨日も今日も、かくて暮れゆく。

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砂上の低唱

漢那浪笛

満つと見しこの天地は足ずありぬ心を いづちやるも空虚のみ 海の香しめる暁を 今日片時の浜下り 磯の霞に酔ひしれて 哀れ吾が世の夢に泣く 浪路逢かた見渡たして 満潮時を恨み泣く 千鳥の声に胸冷えて 哀れ吾が世の夢に泣く 花葉かざれる海の底 そや湧きかへる黒潮は 憂しや吾が身の宿世にて 哀れ吾が世の夢に泣く 足跡しげき砂の上 深かき想ひに眼を閉ちて 世の運命を思

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秋の小曲

漢那浪笛

秋の木の葉がふるひ出す、 ものにおびへた眼の色は、 たゞ白びかり――何を見る。 ひら/\と黄葉がちる、 彼れは何処へ? 真暗な、 谷へほこらへ――あな消へた。 暗い森から鳥が啼く、 あなほろ/\と、そこなりに……… ある触るる音よ、暮るる日の 天と人とのなかを過ぐ。 食ひのこしたるパンの切れ、 ぢつとみつめば、涙ぐむ。 白髪頭のお爺さん、 曲つた腰もかまはず

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恋しき最後の丘

漢那浪笛

うら若かき頃の、悲しきあこがれ……… 草葉の息ふきかへす甘き香り、 艶はしき花の笑ひもながめて過ぎぬ、 木の間にさへずる、鳥の歌をきゝ、 悲しみは眼を閉ぢて、暫時やすらひもせし、 されど、とく新らしき悲しみに転りぬ、 何をもて、この闇を照さむ、 空を仰げば恐ろし……… いざさらば、独り琉球節の一曲を、 口笛にふるわせ、 うらやすき墓場のほとりにさ迷はむ、 そ

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玉盃の曲

漢那浪笛

ふくよかの顔面あげて 紅潮の浜にさすごと 華やかの笑みひろごりて まなざしの光すゞしく わが胸の奥には深く よろこびの影こそ跳れ わが耳に絃づる歌は 鶯の啼く音をこめね あたたかき玉の腕に 瑠璃色の酒瓶たたけば 白百合の花よりすべる 露のごと湧くや甘酒 玉盃の縁にあふれて 白銀や黄金の花の そこゐには咲きそむものと 口ごもる若き恋人 手をのべて盃をうくれば

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暮れ方の窓

漢那浪笛

常に夢見る女のすがた! 夕暮れ方、 しめやかな窓にしのんで来る。 なつかしい想ひは浪のやう…………。 みつむれば、朦ろにかすみ、 ちかよれば、闇のなかにとろけて、 果ては見えなくなる。 物 消えし後 悲しいことよ! どこかにすゝり泣きが消えた。 夫れは、鬢のほつれにからんだ、 青い火のこのやうだ つひ、私は二つ 眼を掩ひ、 闇の窓にうつ伏した。 ●図書カード

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おびえ

漢那浪笛

咲きし華はしぼみて、 わが世は暗がりわたり。 くろめる渦巻きのなか 淋しき、うめきをやする。 そは、冷たき砂のうへに裂けて、 風に泣く片葉□貝にも似たり。 絶えせぬ浪の響き、肉にゆさぶれば、 小さき魂は、音なく伏してあるなり。 「なほ生きてあるのみ」 いつかまた、われは哀ふ。 と思へば、あたりのものみな、 怖ろしく眼にとまる。 かつて、命をすてゝ去る人あるを

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新らしき悲しみにうつる時

漢那浪笛

うら若かき日の悲しきあこかれ―― 草葉の息吹きかへす甘き馨り、 艶はしき花の笑ひもながめて過ぎぬ。 木の間にさへずる鳥の歌をきく、 悲しみは眼を閉ぢて、暫時やすらひもせし。 されど、とく新らしき悲しみにうつりぬ。 何をもてこの闇を照らさむ。―― 空を仰げば怖ろし………… いざさらば、独り琉球節の一曲を、 口笛に、 うらやすき墓場のほとりにさ迷はむ。 そは音な

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まよわし

漢那浪笛

わが思ふ女ありやなしや。 まよわしきかな。 夕暮の窓にもたれて、蒼白き息ふく われも、またありやなしや。 あな、うたがわし。 蚊のなく声を、君がかなしき唄とや きかむ。 柔風の木の葉にすがる、たわふれを、 君が鬢のほつれとやきかむ。 淋しき夕べの鐘もきこゆ。 森のかなた、君住む墓の頭りにや あらむ。 今なり、われは独りさ迷ひゆかむ! 夕べの鐘をしたひて その

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最後の丘

漢那浪笛

なつかしい丘の上、 棕呂の若葉のそよぎに、小鳥の唄。 傾むきつくす夕月も、 見る/\最後の接吻を残して、 深い々々、海のかなたへ 去らうとする、 なつかしい丘の上に、Kの君を持つ心よ! 夢を語るやうな春の風に 顫へる。 葉ずれの音に眼が狂へば、 西へ東に、足が動きだす……………… 夫れと思ふ俤が、更に眼にとまらぬ。 胸を抱いて、若かい悲しみに沈む。 林の間に

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古街

漢那浪笛

黄昏時を四五分すぎたあと、 薄闇を縫ふて、紅い々々燈の華が、 冬咲きの仏相花のやうにちらつく。 昔の栄華を夢見る古るい街、 傾むいた軒を並べて、 底深く静まりかへる。 蔦の生へた石垣からは、 亡びの色調を帯びた虫の歌。また、 たく/″\と流れる溝のなげかひ。 私は古るい街の巷に迷ひこんだ、 何処かへ逃げ道を見出さうとした、 古るい街は逃すまいと抱きつく。 私

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吸い殻

漢那浪笛

午前七時、 時刻が来たいざ学校へ。 晩秋の市街の上を、 悲しげに風は泣きすぐ。 絶えずしたゝる冷たい鼻汁を、 すゝりつゝ道を通る。 ふとして眼にとまる白い吸い殻、 誰れが手から投げ捨てられし……。 もどかしい黄色な煙は、 力なく渦をまいて漂ふ。 火の気衰ろへ、煙が消えると、 死人の影がちらつく。 今一しきり秋空が吹き過ぐる、 吸い殻は空しく地上を転ろげる。

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車室

漢那浪笛

一頭のやせ馬に、 ひかれゆく黒塗りのかた馬車。 乗ひ合は六人、 その中に一人の若かい女。 膝向き合はした客は、 お互に眼をひらめかし、 たゞ無言。 ――疑ひの多き車内だ。 沙漠に似たる車内に、 一人の若かい女、 今宵の旅の疲れに、 一つの慰めとなる。 あゝ車内の若かい女、 夜のランプにたとへやう?。 その異性の光は、 私の淋しい心を照らす。 時々色と匂ひと、

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帰省

漢那浪笛

若夏の入江の西に、 萎ゆる帆を静かにたゝみ、 大船の錨なぐるや、 波止場には、吾かなつかしき 南国の男女のあまた、 すゝみよる、艀むかへぬ。 艀より人力車にうつり、 石原を、左右にゆれて、 店先の軒をたどれば、 かけつるす芭蕉実のかをり 夏風にゆる/\薫じて、 故郷は夢にさながら。 父母や妹をしのび、 過ぎゆけば、榕樹しげれる、 門に着き――涙こぼれぬ。 ●

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