Vol. 2May 2026

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かの日の歌【五】

漢那浪笛

気味わるき、 十二月の、ひねもす。 そとには、おやみなくそゝぐ雨、 軒端にみだらなる、なげかひ……… 苦るしまぎれに煙草をすふ。 音なき浪――けむりのなかに、 うす暗き人生は、哀れ寂しく! かゝみて――渦まく。 時々未練、眼をかする、 覚束なき恋のたはむれ! 力なく趁ふては、きゆる、 あはれ十二月の室内のひねもす。 陰鬱な空気 と□す、 あおこけむす、きみ悪

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かの日の歌【四】

漢那浪笛

ささへかねたる苦痛の重さ! 心と肉とは、時ふるへり。 年わかき悲哀とそのきほひは、 何日きゆべき! あわれ迷はしきかな。 人通りの繁き町へゆかむ、 南!旧暦十五夜の黄金の涙を たゝへし町へ! そこにはあまき女の声、 暗の中に紅きルビーの如くゆれる。 吾れはそこにゆかむ、かわほりの如く、 ――そこに歓楽の響きを聞くべし! ●図書カード

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かの日の歌【三】

漢那浪笛

温たかき玉は、君が手より、 すべり落ちぬ。 その玉は他人の手に握られ、 楽しき夢路をたどるなり。 あゝ君は淋しき人なり。 君はいや更に悲しめ! もだへ、苦しむは君のさがなり。 ぬめらかなる玉は、すべり安く、 ふしくれだちし手には、 あまりに痛ましく、たへがたく―― すべり落つるも、ことわりなり。 あゝ君は淋しき人なり。 君はいや更に悲しめ! もだへ、苦しむは

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かの日の歌【二】

漢那浪笛

音なき秋の空をながめて、 木の葉は淡き吐息をもらし、 色みな、悲しきメロディなり。 時のまに/\泣きすぐる風に、 調べはいたく、狂ひわなゝき、 自然の胸の痛みは、更に深し。 黄ばめる木の葉は、翼をふるひ、 暗をもりたる、谷をみおろし、 渦まきながら、果ては消えゆく。 こゝちよき南の朝、 空は薔薇色の絹をのべ、 いろ鳥の歌は、若かき恋のごとく、 珠の響きをもて

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かの日の歌【一】

漢那浪笛

南の国の黄昏れ、 空は紅き笑ひを残して静かなり。 想思樹の葉のねむたげにうなだれ、 かすかなるうめきをやする。 ああ淋しみ、心をなす、植民地の黄昏! 椰子の並木を縫ひて、 灯火は紅き花と見まがう。 その時我が耳に訪づれし悲歌の哀さよ。 小暗き森の奥に、 時々もれくる鬱憂の月影。 木の葉は眠りより醒めて、 あやしき夜色に顫へ出す。 忽ち響く恐ろしき獣の声! よ

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十二月の島だより

泉芳朗

十二月ですね もうすっかり冬になったやうな 而もまだ秋らしいやうな どちらかと言へば煮切らないお天気です けれども矢張り島の生活はいいですよ 昨日も鶯の声がピヨロピヨロやりましてね はにかみやで なきむしの僕には ぴったりふさわしい時季です 机にだまりこくって 「迷想」をかみしめるにとてもいい時です 今日は小雨が哀しく飛んでゐます かぼちゃ畑が黄色にうるんで

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生地売り

泉芳朗

ロシヤ人の生地売りは山間の一軒家に宿ってゐた 「生地 日本 ウレナイ ヨカ ヨカ」 無論誰にも面と向かって語ったのではないけれど私は只一語聞いた胸に幾回となく生地売りの言葉をくりかへした あの一晩中山間のあばら家に耳をそばだてて××の鋭い眼光もて探照してゐた憲兵でも否恐らくこの狭隘な山間に住む人皆に生地売りの哀愁はわからなかった 人々は異国人の珍奇を只むさぼ

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アコウの木

泉芳朗

冬の光は冲天に流れて池面は数日来じめじめ淀んでゐる アカホの木は一つ古木ゆゑに杖のやうに気根をたよりその南の枝に烏は一羽 未だ地上に達しない光を貪ってゐる 烏は ただ 黙々と村人たちの悲しい迷信の上に不可思議な運命をまじなひ 樹下にたじろぐ二人三人の村人は木梢にうそぶく彼の運命の声に胸をおさへてゐる このアカホの木に烏がなけば、それは村中に起るべき死人かお産

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サガニー耕地より

上里春生

二月半ばのそら、 酒室の呼吸を罩めて、風、 あまし、温かし 円ろかなるこの穹き 懐ろに、音もなく 彩雲ぞ、さすらふなる。 機おる遠き麓のむら村、 ゆるくゆるく、筏の昔幽かに 声音なし、幻の静けさに、たえなる夢を織れるか、 雲にそゝぎ入る恍惚、炊ぐ煙りの 直しき細流、君よとく、来らずや、 この身さみし。 水豊かに遠く連りて、 田を限る畔、唯見る目覚む一色に、

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傾ける殿堂

上里春生

――一切の世界進行を、「自己運動」に於て、自発的発展に於て、生ける実在に於てあるものとして把握する認識の条件は、それらの対立の認識これである。……発展は対立の闘争である ――レーニン かつて世が苦悩を塗り罩めた時 偉大なる殿堂は輝いてゐた。 勝利の山に燦然と 晴朗の日月を飾帯し 円満具足の己れを持した 青い時から、青い時まで 最上善の指標をつとめた。 所謂衆

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うし

濤音

お冠船に帆をおろすさわぎはやんで、 はやお主加那志前 お迎へか。 あれ楽の音がかすかに微かに浮んでくる どれ黒髪□□梳さなをさう。 黄金三つ星てり渡る北京の都。 そこからおす唐 按司すゐ、 まばゆいばかりの尊いみ姿を 今日こそは妾もをがみにいきます。 島には雲わき燕がすぢかひに飛ぶ。 鴛鴦のやうなお冠船はふわふわと 湾内にねむつて濃い夢をむさぼる。 森には福

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蕎麦の花の頃

李孝石

夏場の市はからきし不景気で、申ツ半時分だと露天の日覆の影もそう長くは延びていない頃だのに、衢は人影もまばらで、熱い陽あしがはすかいに背中を焙るばかりだった。村のものたちはあらかた帰った後で、ただ売れはぐれの薪売りの組がはずれの路傍にうろうろしているばかりだが、石油の一と瓶か乾魚の二三尾も買えばこと足りるこの手合を目当にいつまでも頑張っている手はなかった。しつ

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冬のしぶき ――母親から獄中の息子に――

伊藤信二

お前が工場の帰りに買ってきてくれた この櫛は もう あっちこっち 歯がこぼれた 梳いたヌケ毛の一本一本は お前がオッカサンとよばってくれる その日がまためぐってくる年月のながさを ヒトツキ フタツキ と かぞえさせる お前からの夏のタヨリを 帯にはさんでいる―― 六十二にもなったわたしのふしぶしは ズキン ズキン ズキン 凍れにたたかれて ヒビがひろがってゆ

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中野鈴子

足を伸ばす 体の横に手を垂れて 目を閉じる ねむろうとして自分の呼吸を聞いている かならず闇がおそいかかる夜というもの 夜 夜はかならずきて わたしはかならずねむったにちがいなかった 夜が来ればねむったであろう そして夜 ねむれぬままにも ねむったであろう 五十年の美しい昼と夜 一個の生きとし生きる者として 春の花 冬の雪にも お前はいたのか お前はいたのか

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大江鉄麿

白樺の梢に冬眠は引き裂くような雪肌を蒙古颪に冷めたくとぎすましているどんよりな雪雲に包まれた部落彼方へずうと永く続き切っている地面房々と綿の実ったような雪ころ蹴ちらされた足跡がいとなけき者の生活をしのぶ様に…… 「おっ母よ」寒さに冷えきった体に飯の空っぽにすいた胃袋をたたきのめしながらまるで木乃伊のように滑走ったおっ母の乳下へかけずりよったつるし柿の様にしな

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市立共同宿泊所

大江鉄麿

とさつ場のようにむんむんとしたいきれ、悪臭がふんと鼻したにたれてくる。ひとつひとつの寝台が継歯のように波立っている。堂々と街ののど笛に背筋を暗く震わしている鉄筋コンクリトの四階建。まるで寄生蟹のように茶溜小屋でうごめいている宿泊人の群、どぶ酒くらったずくさい息をはきながら 遠く北海道の釧路のかんごく部屋からにげてきたという北海熊、朝鮮のはしから渡ってきた韓、

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職場の歌 ――遠き地にいったるあいつにおくる――

大江鉄麿

ダンダンダンダン…… 歯車がかちかちとわめいている モートルの野郎はブーンとうなっていやがらあ ベルトが二百五十の回転速力できざむ様に…… ダンダンダンダン…… 源兄いお前そのベルトの奴に右手を半分取られたな 近所の義もそのベルトの奴に指を三本喰われちまったぞ ダンダンダンダン…… 畜生ベルトの奴 貴様まで俺達の血をしぼると云うのか 源兄いが右手を取られた時

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河の上の職場

大江鉄麿

黒い水面が時々石炭の切れ口のように、ギラギラと河波の照りかえし、中ひざまでせきとめられ、八本のミキサコンクリトがけの鉄骨に、歯をむきだし、カプリと、背筋をひきちぎる音波をうって、揺れてゆく河―― 脳味噌をぶち砕くような、のたうつ肚の底までピリピリと震動さす響。 八尺胴切の鉄骨、首もとからねじられ、下の合首まで、蒸気鉄鎚のするどい拍車の折返えしを喰って、へどを

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嵐の中で ――伊井千歳に贈る――

大石喜幸

嵐は今日も街々をかけずりまわっている 君は一度でもこの嵐の原因について 考えたことがあるんですか それよりも もっと もっと 大きい嵐について もっと現実的な 人と人とのつながりにおいて 人間個々において 人類全体において 水平線的な 風雨の原因について―― 嵐の日の何もできない一日を じっと反省の思惟にふけるがいい 君はきっと 希望の駿馬にまたがり 倫理の

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夜雲の下

榎南謙一

自動車が動揺すると 細引で縛られたまま 私たちの肩と肩とがごつんとあたる 争議は敗れた 送られる私たちは胸の苦汁をどうすることが出来たろう 「あちらでは吸えないんだぜ」 一本ずつもらった最後の煙草 言いようのない感慨とともに 蒼いけむりを腹の底までのみ でこぼこだらけの道路を揺られて行った やがて陽は墜ちたのか 道路にかぶさる青葉がだんだん翳ってくる うなだ

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無念女工

榎南謙一

お早うさん 昨夜の夢は? 故郷の庭には柘榴の花が散ってるだろう けさもまた やめて帰ろと思うたが 帯はあせたし 汽車賃なしではどうにもならぬ 爪をもがれた蟹のように 冷たい石畳みをヨチヨチと私たちは工場へはいる 今日もいちんち トタン塀の中で無自由だ! 渇いて 渇いて やりきれぬ トタン塀の外は たんぽぽが咲いて乳をながしたような上天気 町の活動小屋がラッパ

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農村から ――失業反対――

榎南謙一

――よう戻って来た 娘の手を握りながら 両親は娘一人ふえたこれからの生活を考える 正月だと言って 餅を鱈腹食うて寝ては居れなかった 地主の塀からきこえる 景気のいい餅搗きの音に 餓鬼どもは咽喉をグウグウいわせて駄々をこねた お父うが鍬をかついで 裏口からコッソリ出かけようとしたとき お母あはどう言って泣いたか ――三ヵ日にようもまあ、仕事をするだ フウが悪う

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