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地震の話
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地震の話
今村明恒
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Chapter 3 of 13

三、地震に出會つたときの心得

一、  最初の一瞬間に於て非常の地震なるか否かを判斷し、機宜に適する目論見を立てること、但しこれには多少の地震知識を要す。

二、  非常の地震たるを覺るものは自ら屋外に避難せんと力めるであらう。數秒間に廣場へ出られる見込みがあらば機敏に飛び出すがよい。但し火の元用心を忘れざること。

三、  二階建、三階建等の木造家屋では、階上の方却つて危險が少い、高層建物の上層に居合せた場合には屋外へ避難することを斷念しなければなるまい。

四、  屋内の一時避難所としては堅牢な家屋の傍がよい。教場内に於ては机の下が最も安全である。木造家屋内にては桁、梁の下を避けること、又洋風建物内にては、張壁、煖爐用煉瓦、煙突等の落ちて來さうな所を避け、止むを得ざれば出入口の枠構への直下に身を寄せること。

五、  屋外に於ては屋根瓦、壁の墜落、或は石垣、煉瓦塀、煙突等の倒潰し來る虞ある區域から遠ざかること。特に石燈籠に近寄らざること。

六、  海岸に於ては津浪襲來の常習地を警戒し、山間に於ては崖崩れ、山津浪に關する注意を怠らざること。

七、  大地震に當り凡そ最初の一分間を凌ぎ得たら、最早危險を脱したものと見做し得られる。餘震恐れるに足らず、地割れに吸ひ込まれる事はわが國にては絶對になし。老若男女、總て力のあらん限り災害防止に力むべきである。火災の防止を眞先にし、人命救助をそのつぎとすること。これ即ち人命財産の損失を最小にする手段である。

八、  潰家からの發火は地震直後に起ることもあり、一二時間の後に起ることもある。油斷なきことを要する。

九、  大地震の場合には水道は斷水するものと覺悟し、機敏に貯水の用意をなすこと。又水を用ひざる消防法をも應用すべきこと。

十、  餘震は其最大なるものも最初の大地震の十分の一以下の勢力である。最初の大地震を凌ぎ得た木造家屋は、たとひ多少の破損をなしても、餘震に對しては安全であらう。但し地震でなくとも壞れそうな程度に損したものは例外である。

右の中、説明を略してもよいものがある。然しながら、一應はざつとした註釋を加はへることにする。以下項を追うて進んで行く。

Chapter 3 of 13
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