Chapter 1 of 1

Chapter 1

音羽屋六代の主 尾上菊五郎歿す。その日遥かに能登にあり。我また、

私のほとけを持ちて、盂蘭盆の哀愁、愈切なるものあり。

亡びなきものゝ さびしさ。永久にして 尚しはかなく、人は過ぎ行く

自ら撰る所の戒名 芸術院六代菊五郎居士と言ふと伝ふ。

もの思ふこと彼の如く深く、之を表すこと彼の如く切にして、なほ知識

短きこと斯くの如きに、人は、ほと/\哭かむとす。

酔ひ深く いとゞ五斗の舞姿 しづかに澄みて、入りゆけるはや

●図書カード

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