Volver
「マリー・ロオジェ事件」の研究
Table of Contents
「マリー・ロオジェ事件」の研究
小酒井不木
Reading Settings
Tamaño de fuente
18px
Tema
Claro
Oscuro
Sepia
Protección ocular
Interlineado
Modo de lectura
Traducción Pagera AI
Original Public Domain
Chapter 4 of 4

4

けれども、「マリー・ロオジェ事件」を読まれた読者は、以上の点を除いては、文中に挙げられた大小すべての事項が遅かれ早かれ洩なく、分析解剖されていることに気附かれるであろう。実際一面からいえば、痒いところへ手の届くように書きこなされてあるのであって、これは到底凡手の企て及ばざるところである。

最近わが国に於ても、盛んに探偵小説の創作が試みられるようになったが、「マリー・ロオジェ事件」のような本格探偵小説を書く人は極めて少ないのであって、私自身も本格探偵小説が書いて見たいと思いながら、つい、むずかしいので手を出し兼ねている。この時にあたって、本格探偵小説の元祖ともいうべき「マリー・ロオジェ事件」が平林氏の忠実にして流暢なる翻訳によって「新青年」に紹介されたことは欣喜に堪えぬところである。読者はよろしく再読三読して、その妙味を味ってほしいと思う。

(「新青年」大正十五年夏季増刊号)

Chapter 4 of 4
|