Chapter 10 of 30
雑
賺されし笑薬や春の宿
夕月やこゆるぎ戻る春の人
烏帽子著て舟さす人や春の池
俳句大観に題す
大千や爛々として春の星
天明俳句集に題す
中興の春や一草一木も
無常
此春は凧飛ばしたる人もなし
波字春季結
天地丸日永の波に浮かべけり
梅若忌
春雨の一日は稚児に泣く日かな
此頃の志士が口真似して
炭を嘗め薪に臥す世ぞ二日灸
戦死せし某の遺吟を整理して
落椿赤き心を拾ひけり
上野にて
初花や西郷どんは尻向けて
品川
誰が占めて天王山の花の幕
偕楽園
一泉一石昔ながらの桜散る
紅緑の新婚に
偕に寝て桃の日南の暖く
俳調の変易に感じて
菊は古るし人形つくる躑躅かな
俳諧月令筌に題す
月花や人生三万六千日