Chapter 1 of 9
大名生活の一断面
「エロとかグロとか言ったところで、今の人の嗜好や経験は多寡が知れて居ますが、昔の専制的な大名には、随分飛び離れた生活をした人があったようですね。これは私の大伯父から聞いた話で、掛値の無い事実談ですが、荒淫な大名生活の一断面を知る為には、持って来いの恰好な物語でしょう。時は士気も綱紀も頽廃し切った天保の末、大名は小身乍ら、維新にかけて鳴らした人物ですが、旧藩関係で差し障りあるといけませんから、仮に本田北見之守として置きましょう」
第八話の選手旗野広太は、妙に気の利いた調子で始めました。奇談クラブの談話室には、いつもの十三人が顔を揃えて猟奇に燃える瞳を輝やかします。