Chapter 1 of 1

Chapter 1

いろ青ざめて谷間をはしり、

夕ぐれかけてただひとり、

岩をよぢのぼれるの手は鋼鐵なり、

ときすべて液體空氣の觸覺に、

山山は茜さし、

遠樹に光る、

わが偏狂の銀の魚、

したたるいたみ、

谷間を走りひたばしる、

わが哀傷の岩清水、

そのうすやみのつめたさに、

やぶるるごとく齒をぬらす、

やぶるるごとく齒をぬらす。

●図書カード

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