Chapter 2 of 5
2 森山 啓
散文は抑揚と句読点によって韻文に転化されるこれが森山啓の詩論だった彼の情熱的な「南葛の労働者」を人民たちは一字一句を変更することなく浪花節に引きのばして歌うことが出来ただがあのころの集会の思い出に今なお労働者は眉をひそめて彼をなつかしがる
「隅田川いざ事問わん森山啓
過ぎし人望ありやなしやと」
何といっても「コンミューンの戦士」と「犠牲者の遺児に」は彼の傑作だった階級的な仕事の中で個人的な享楽とものを書くことより牢獄を選ばねばならぬときはふしぎと思い出したように、いつでもこの詩が愛誦されたときだった
社会主義リアリズムをはな/″\しく引っさげて打って出た時は皮肉にも彼が実にリアルに沈滞した時だっただが彼の沈滞は一九〇五年のベードヌイ以上ではないさすらい人めいた述懐がちらつこうと常に中国人民に詩と情熱をそそいでいる森山でなければならぬ、「北平の風の中で」のように