Chapter 1 of 1

Chapter 1

雪のたんぼのあぜみちを

ぞろぞろあるく烏なり

雪のたんぼに身を折りて

二声鳴けるからすなり

雪のたんぼに首を垂れ

雪をついばむ烏なり

雪のたんぼに首をあげ

あたり見まはす烏なり

雪のたんぼの雪の上

よちよちあるくからすなり

雪のたんぼを行きつくし

雪をついばむからすなり

たんぼの雪の高みにて

口をひらきしからすなり

たんぼの雪にくちばしを

じつとうづめしからすなり

雪のたんぼのかれ畦に

ぴよんと飛びたるからすなり

雪のたんぼをかぢとりて

ゆるやかに飛ぶからすなり

雪のたんぼをつぎつぎに

西へ飛びたつ烏なり

雪のたんぼに残されて

脚をひらきしからすなり

西にとび行くからすらは

あたかもごまのごとくなり

●図書カード

Chapter 1 of 1