Chapter 1 of 1

Chapter 1

最も親しき友らにさへこれを秘して

ふたゝびひとりわがあへぎ悩めるに

不純の想を包みて病を問ふと名をかりて

あるべきならぬなが夢の

(まことにあらぬ夢なれや

われに属する財はなく

わが身は病と戦ひつ

辛く業をばなしけるを)

あらゆる詐術の成らざりしより

我を呪ひて殺さんとするか

然らば記せよ

女と思ひて今日までは許しても来つれ

今や生くるも死するも

なんぢが曲意非礼を忘れじ

もしなほなれに

一分反省の心あらば

ふたゝびわが名を人に言はず

たゞひたすらにかの大曼荼羅のおん前にして

この野の福祉を祈りつゝ

なべてこの野にたつきせん

名なきをみなのあらんごと

こゝろすなほに生きよかし

●図書カード

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