Chapter 4 of 4
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人の声 ええ、ごめんくださいまし、九頭竜でございますが、花田さんはおいででございましょうか。他の人の声 私は堂脇ですが……花田 そら来やがった。……みんないいか大丈夫か……俺たちは非常な不幸に遇ったんだぞ。悲しみのどん底にいるんだぞ。この際笑いでもした奴は敵に内通した謀叛人としてみんなで制裁するからそう思え。九頭竜も堂脇も……今あけます、ちょっと待ってください……九頭竜も堂脇もたまらない俗物だが、政略上向かっ腹を立てて事をし損じないようにみんな誓え。一同 誓う。花田 泣ける奴は時々涙をこぼすようにしろ、いいか……じゃあけるぞ。沢本 花田、ちょっと待て……(茶碗に二杯水を入れて戸部の所に持って行く)おいドモ又、貴様の涙をこの中に入れとくぞ。これはともちゃんのだ。尻の後ろにやっとけ。あわててこぼすな。花田 しいっ。(観客のほうに向いて笑うのを制する)じゃあけるぞ。みんなしかめっ面をしてろ。
とも子はさっきからほんとうに泣いている。戸部、茶碗から水をすくって眼のふちに塗る。花田、戸をあけに行く。
――幕――
●図書カード