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忠僕
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忠僕
池谷信三郎
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翻訳 Pagera AI
原文 Public Domain
Chapter 4 of 4

4

竹材を一杯積んだトラックが、川に沿った街道をガタガタと走って行った。

代金を受取った久助は、丸久の店を出るとそのまま、銀行の前をさっさっと通り越して、真直ぐに駅の方へ歩いて行った。彼はそこで東京行の切符を買った。

箱根の山が、車窓の外でグルグル廻っていた。

俺が無事に今日の役目を果して帰れば、あの若主人の信念はますます固くなるばかりだ。これであの人も、人を信ずる事の愚かさを知る事が出来ただろう。そう思えばこんな三四百の金なんか安いもんだ。これであの竹林も、山葵畠も、皆んな無事に済むのだから。

そして久助は、出がけに彼の眼瞼を熱くした、あの不覚の涙に溺れなかった為に、今こうやって自分が、朋輩の誰よりかも、一番忠僕になれた事を考えて、鮎ずしを頬張りながら、思わずひとりで微笑んだ。

●図書カード

Chapter 4 of 4
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