Chapter 2 of 7
婦人の向上心を養え
近頃しきりに耳にする言葉は、「一体日本婦人は!」という様な、如何にも日本婦人等を卑下してここが至らぬとか、かしこが届かぬとかいう事を得意になって言い立てているが、これは誠に面白くない議論だと思う。何故かというと、そう日本婦人が欧米の婦人に及ばないとかなんとか口々にいうていると、自然に日本婦人が卑屈になって来て、向上心が無くなってしまうのである。
しかしながらこの向上心というのが、いわゆる今日の虚栄心と真に誤解し易いので、よく間違いを来す事があるが、しかし婦人でもこの向上心が無い限りは決して社会も国家も進歩して行く事が出来ない。故に今日の婦人教育者は、よろしく日本婦人が虚栄に流れずに向上心を養成してゆく事が最も肝要であると思う。
斯様に日本婦人を無闇に卑下してはならぬといっても、決して日本婦人は完全であるという理由ではない。我が邦の婦人にもなかなか欠点がある。改良を加えなければならぬところは頗る多い。が、しかしこの欠点のあるのは強ち我が邦のご婦人等ばかりでは無い。欧米の婦人連もまた同様に欠点があるので、その彼我の欠点を互いに相改めて、初めて頼母しい婦人が出来上がるというものである。