Chapter 1 of 1

Chapter 1

お前は俺の子供

おれはお前の父親

おれはお前の親となって六月だ

お前は生れた時

この頭がおれの握り拳位だった

ずい分と大きくなったな

お前の顔がおれに似て居るようだし

今添寝して居る母にも似て居る

誰彼がそう云った

それはほんとうだろうか

ねむったお前

お前は今ずい分よくねて居る

さっきはあんなにおれに困らせたんだが

母の乳房に乳がなくなりゃ

お前にとっては全く一大事だから

泣いて泣いて

のけぞり返って足をつっ張って

母が重湯をこさえて来るまで

泣き 泣き 泣いた

お前はおれの子供

おれはお前の父親

おれはお前に頬ずるしてやる

早く大きくなれ

お前はやせても立派な女工さんになれ

一九三一年

●図書カード

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