Chapter 1 of 1

Chapter 1

去ル頃御健言書ニ国躰を一定し政度ヲ一新シ云々の御論被レ行候時ハ、先ヅ将軍職云云の御論は兼而も承り候。此余幕中の人情に不レ被レ行もの一ヶ条在レ之候。其儀は江戸の銀座を京師ニうつし候事なり。此一ヶ条さへ被レ行候得バ、かへりて将軍職は其まゝにても、名ありて実なけれバ恐るゝにたらずと奉レ存候。此所に能々眼を御そゝぎ被レ成、不レ行と御見とめ被レ成候時は、義論中ニ於て何か証とすべき事を御認被レ成、けして破談とはならざるうち御国より兵をめし御自身は早御引取 老侯様に御報じ可レ然奉レ存候。破談とならざる内ニ云云は、兵を用るの術ニて御座候。謹言。

十月楳 拝首後藤先生左右

●図書カード

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