Chapter 1 of 1

Chapter 1

思はずも筆はしり

忽ちに画は成りぬ。

この時に涙ぞくだる。われながら

芸の力に泣きぬるか。

きと見れば、あさましや、

をののきに眼ぞ眩む。

むくつけき斑の獣尾を曳きて

面には君をゑがきたり。

やがて画は炉の中に

燃えながら且つ泣きぬ。

ああされど、偽らざりき、わが心

思ふはげにも然なりける。

●図書カード

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