Chapter 1 of 7

青い野原のなかを、白い路がながく/\つヾいた。

母とも姉とも乳母とも、いまはおぼえもない。

おぶさつたその女が泣くので、私もさそはれてわけはしらずに、ほろ/\泣いてゐた。

女の肩に頬をよせると、キモノの花模様が涙のなかに咲いたり蕾んだりした、白い花片が芝居の雪のやうに青い空へちら/\と光つては消えしました。

黄楊のさし櫛がおちたのかと思つたら、それは三ヶ月だつた。

黒髪のかげの根付の珠は、空へとんでいつては青く光つた。

また赤い簪のふさは、ゆら/\とゆれるたんびに草原へおちては狐扇の花に化けた。

少年の不可思議な夢は、白い路をはてしもなく辿つた。

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