Chapter 1 of 1

Chapter 1

今宵私のパイプは橋の上で

狂暴に煙を上昇させる。

今宵あれらの水びたしの荷足は

すべて昇天しなければならぬ、

頬被りした船頭たちを載せて。

電車らは花車の亡霊のやうに

音もなく夜の中に拡散し遂げる。

(靴穿きで木橋を蹈む淋しさ!)

私は明滅する「仁丹」の広告塔を憎む。

またすべての詞華集とカルピスソーダ水とを嫌ふ。

哀れな欲望過多症患者が

人類撲滅の大志を抱いて、

最後を遂げるに間近い夜だ。

蛾よ、蛾よ、

ガードの鉄柱にとまつて、震へて、

夥しく産卵して死ぬべし、死ぬべし。

咲き出でた交番の赤ランプは

おまへの看護には過ぎたるものだ。

●図書カード

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