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胆石
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胆石
中勘助
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翻訳 Pagera AI
原文 Public Domain
Chapter 8 of 9

七日

朝  トースト三きれ 牛乳一〇〇 事変後バタも紅茶もやめた。自然パンも牛乳もやめることになってから久しい。そこへこのトーストと牛乳だ。バタも人造バタは先生から禁ぜられたので普通のバタだ。まさに醍醐味である。先日の米の味といい、きょうのこれといい、我々が日頃自分の舌を甘やかしすぎて勿体ないくらいの天恵を忘れさせてることを思わせる。これからみれば昔荒野をさまよって飢え疲れた漂泊の民にとっては食べられるものでさえあればなんでもマナであったであろう。

きょうから特に用便の時だけ起きあがることを許された。寝返りができてからは 起きられたら が次の念願であった。こうしてらくになると爪ののびたのが気になりだした。△△さんにとってはもらったものの普通のとりかたではとったような気がしない。私のこの爪を気にする病いは癇という古く曖昧ではあるが同時に多含で適切である言葉でしかいい現せない。私が仙人になれない第一の理由は雲にのれないことでもなく、霞がくえないことでもなく、実にこの爪を長くすることが辛抱できないところにある。私は用便のあと勝手に時間を延長して爪をきりはじめた。思いきり鋏の刃をくいこませてぎりぎりまではさんでしまう。さばさばした。垢だらけの仙人生活から足を洗った思いだ。

Chapter 8 of 9
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