Chapter 1 of 1

Chapter 1

塗板がセンベイ食べて

春の日の夕暮は静かです

アンダースロウされた灰が蒼ざめて

春の日の夕暮は穏かです

あゝ、案山子はなきか――あるまい

馬嘶くか――嘶きもしまい

たゞたゞ青色の月の光のノメランとするまゝに

従順なのは春の日の夕暮か

ポトホトと臘涙に野の中の伽藍は赤く

荷馬車の車、油を失ひ

私が歴史的現在に物を言へば

嘲る嘲る空と山とが

瓦が一枚はぐれました

春の日の夕暮はこれから無言ながら

前進します

自らの静脈管の中へです

●図書カード

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