Chapter 1 of 1

Chapter 1

おきつ邊かつ鳴る海青なぎ

今手に動ずる胸をおせば

哀愁ことごと浮び出でて

たぎつ瀬涙の八千尋沼

ああ世は神祕の影にみちて

興ある歌もつ子等もあるに

何をか若きに眉根ひそめ

執着泣くべくえ堪へんや

例へば人あり花に醉ひて

秋雲流るる夕づつに

樂觀すぎしを思ふ如く

足ぶみせんなき煩ひかや

信なき一人に戀しさで

今年もさびしう春は行きぬ

●図書カード

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