Chapter 1 of 17

わたしは熱があつて睡つてゐた。庭にザアザアと雨が降つてゐる真昼。しきりに虚しいものが私の中をくぐり抜け、いくらくぐり抜けても、それはわたしの体を追つて来た。かすかな悶えのなかに何とも知れぬ安らかさがあつた。雨の降つてゐる庭がそのまゝ私の魂となつてゐるやうな、ふしぎな時であつた。私はうつうつと祈つてゐるのだつた。

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