Chapter 1 of 45

Chapter 1

作者――江戸川乱歩氏曰く

私は、最近、従来の「小探偵小説」を脱して、もっと舞台の広い「大探偵小説」へ進出したいと思っている。今回の『黄金仮面』は実にその第一歩である。

本篇活躍の主人公は、例のお馴染の素人探偵明智小五郎であるが、彼も段々に成長しつつある。今度の小説では相当大きい活躍が出来る筈だ。相手役の悪魔は恐らく読者を驚かせるに足る人物だと信じている。作者はその驚くべき人物を、果してよく扱いこなせるかどうかを自ら危む程であるが、そこがまた本篇執筆について作者が一層興味を感じている所以でもある……

「キング」昭和五年八月号

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