Chapter 1 of 4

ある国に、戦争にかけてはたいへんに強い大将がありました。その大将がいる間は、どこの国と戦争をしても、けっして負けることはないといわれたほどであります。

それほど、この大将は知略・勇武にかけて、並ぶものがないほどでありました。それですから、よくほかの国と戦争をしました。そして、いつも勝ったのであります。

あるとき、隣の国と戦争をしました。それは、いままでにない大きな戦争でありました。そして両方の国の兵隊が、たくさん死にました。隣の国では、今度ばかりは勝たなければならぬといっしょうけんめいに戦いましたけれど、やはりだめでした。そして、とうとう最後に負けてしまいました。けれど、さすがの強い大将も、今度はやっと勝ったというばかりで、みな家来のものもなくしてしまいました。

大将は疲れて、生き残ったわずかな人たちとともに、都をさして戦場から歩いてきました。そして、戦争のために荒れはてた、さびしいところを通らなければなりませんでした。森も林も、大砲の火で焼けてしまったところもあります。広い野原に、青草ひとつ見えないところもあります。まったく昔の日と、あたりの景色がすっかり変わっていました。

ある日の暮れ方、大将は、まったく路に迷ってしまったのであります。

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