Chapter 1 of 10

よっちゃんは、四つになったばかりですが、りこうな、かわいらしい男の子でした。

よっちゃんは、毎日、昼眠をしました。そして、たくさんねむって、ぱっちりと目をあけましたときは、それは、いい機嫌でありました。

「チョット、チョット。」といって、よっちゃんの頭の上から、このとき呼ぶものがあります。よっちゃんは、ぱっちりした目を上に向けますと、茶だんすの上にのせてあった、目ざまし時計が、いつもの円い顔をして、にこにこ笑っているのでありました。

よっちゃんは、いつもおなじところに、じっとしている時計をば不思議そうにながめていました。たまには、歩いて、ほかへ動きそうなものだとおもったからです。

だまって見ていると、時計が、

「チョット、チョット。」と、おなじいことをいっています。

よっちゃんも、時計を見上げて、にっこり笑いました。

「うま、うま……。」といって、かわいらしい手をあげて、時計の方へさし出しました。けれど、時計は、お菓子をくれませんでした。やはり、笑っているばかりでした。よっちゃんは、じつに、さびしくなって、泣き出しました。すると、お母さんが、あちらから、あわてて駈けてきました。

「よっちゃん、お目が、さめたのかい。」

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