Chapter 1 of 1

Chapter 1

雄心や花ふみにじりわか芽つみほゝゑむすべは知らずあらなむ

ふと行きてかへらぬ人よ掌をすべりて消えし玉ならなくに

身の秋にしのぶも悲し日陰草小さく咲きて散りし花はも

天つ世の魂の足音のきこゆらしゆめの国ゆくあかつきの時

思ひなゝあらそひもなき後の世は唯いとまあり眠る人のみ

つばさ破れ落ちしはやぶさやけ砂にうなじやかせて遠き空見る

うつくしき青葉の岡の殿づくり饑ゑし百人つちはこぶらし

花散りし胸の園生の垣ゆれて道行く人となりにける君

ますらをはつかれつゝみてよき妻のつかはれ人となりにけるはや

朝の風四里の麦生の波越えて多摩の川辺に人たづね行く

●図書カード

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