Chapter 1 of 1

Chapter 1

うら若かき日の悲しきあこかれ――

草葉の息吹きかへす甘き馨り、

艶はしき花の笑ひもながめて過ぎぬ。

木の間にさへずる鳥の歌をきく、

悲しみは眼を閉ぢて、暫時やすらひもせし。

されど、とく新らしき悲しみにうつりぬ。

何をもてこの闇を照らさむ。――

空を仰げば怖ろし…………

いざさらば、独り琉球節の一曲を、

口笛に、

うらやすき墓場のほとりにさ迷はむ。

そは音なき響きをきかむとや…………

●図書カード

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