Chapter 1 of 12
Chapter 1
本編は去る七月十一、十二の両日にわたって、仙台放送局の需めに応じて放送したところであります。本州における蝦夷の末路は、実は私が創刊号以来、引続き本誌上で継続研究したい積りの東北民族研究中の主要なる部分であります。爾今なお数回にわたり、その研究を積み重ねた最後の結論としてあらわるべきものの、おもなる部分を占めているのであります。私の研究は実はまだ途中におりまして、これからさらに資料を捜索し、同好者各位の御注意を仰いで、研究を進めて参りますうちにはまた考えがどう変って参りますかもわかりませんが、大体の結論においてはあまり動かぬ積りでございます。それ故に、発表の順序に違って参りますが、初心の読者諸賢の為には、まず以てその研究の道筋なり、結果の大要なりを、あらかじめ知っておいていただく方が、かえって便宜の多い事もあろうかと存じますし、また読者諸君からの切なる勧告もありますので、それに応じてその梗概紹介の意味で、放送の草案をここに発表する事に致しました。放送の際には時間の都合で省略したところも多く、また掲載に際し、多少修正を加えまして、放送のままのものとは幾らか精しくなっておりますことは、あらかじめ御承知おきを願います。
また本編述べるところが、すでに本誌に掲げたところ、また将来掲げるところと、多少重複する点のあるのも、これまた御承知を願います。もとよりラジオ放送の事でありますから、極めて通俗に、研究の道筋と結果とのみを引っくるめて述べたに過ぎません。その考証的論証は、これからも引続き発表する「東北民族研究」について観ていただきたい。