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パルチザン・ウォルコフ
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パルチザン・ウォルコフ
黒島伝治
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번역 Pagera AI
원문 Public Domain
Chapter 4 of 4

4

彼等は空に向って、たまをぶっぱなしたあの一角から、逃げのびた者だった。――その中には馬を焼かれたウォルコフもまじっていた。

そこらへんの山は、パルチザンにとって、自分の手のようによく知りぬいているところだった。

村を焼き討ちされたことが、彼等の感情を極端に激越に駆りたてていた。

弾丸は逃げて行くカーキ色の軍服の腰にあたり、脚にあたり、また背にあたった。短い脚を、目に見えないくらい早くかわして逃げて行く乱れた隊列の中から、そのたびに一人また一人、草ッ原や、畦の上にころりころり倒れた。露西亜語を話す者のでない呻きが倒れたところから聞えてきた。

「あたった。あたった。――そら一匹やっつけたぞ。」

そのたびに、森の中では、歓喜の声を上げていた。

中には、倒れた者が、また起き上って、びっこを引き引き走って行く者がある。傷ついた手をほかの手で握って走る者がある。それをパルチザンは森の中からねらいをきめて射撃した。興奮した感情は、かえってねらいを的確にした。

カーキ色の軍服は、こっちで引鉄を握りしめると、それから十秒もたたないうちに、足をすくわれたように草の上へ引っくりかえった。

「そら、また一匹やった。」

「あいつは兵卒だね。長い刀をさげて馬にのっている奴を引っくりかえしてやれい! 俺ら、あいつが憎らしいんだ。」

「ようし!」

「俺ら、あの長い軍刀がほしいんだ。あいつもやったれい!」

彼等はだんだん愉快になってきた。…………

(昭和三年十月)

Chapter 4 of 4
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